42歳からネット婚活を始め理想のパートナーと出会い結婚したフリーライターの柏木珠希さん。今年1月にはその顛末をつづったコミックエッセイ「占いで結婚しました!」(イースト・プレス)を出版されました。柏木さんにアラサー以上の女性が婚活アプリを利用してゴールインするまでのポイントについて5回に渡りお聞きしています。
今回は最終回、編集部が柏木さんに婚活を始めてダンナさまとの出会い、結婚に至るまでの経緯を編集部がインタビューしました。
柏木さんにお聞きしたこれまでのお話し
- 経験者が語る!アラサー以上の女性に婚活アプリがおススメな3つの理由
- 経験者が語る!アラサー女性の婚活アプリ、プロフィール作成3つのポイント
- 成婚者が語る!婚活アプリのメッセージのやりとりから初デートまで
- 経験者に聞いてみた!30歳以上の初デートファッション3つのルール
婚活を始めた理由は? 婚活アプリって怖いと思わなかった?
婚活アプリの印象がガラッと変わる一冊の本に出合って
編集部「まずは婚活を始めたキッカケについて教えてください」
柏木 「42歳で結婚を前提に6年間つきあっていた彼氏にフラれまして。向こうに好きな人ができたというよくあるパターンです。
まわりに報告したら、『なんでそんなに長くつきあってて結婚してなかったの?』とか『まあ、結婚してたら結果は違ってたかもね』と言われ、もともと結婚願望がそんなに強くなかったのですが、『そうか、結婚とはそんな安定や法的拘束力があるものなんだ』と遅ればせながら気づきました。で、『よし、だったら次つきあう人とは結婚しよう!』と思ったんです」
編集部 「婚活アプリを使った理由は?」
柏木 「もちろん、合コンとか紹介もまわりにお願いしてやってもらいましたよ。
でも、年齢が年齢だけに友人に紹介をお願いしても『オレのまわり既婚者ばかりだからなぁ』という反応も多くて。だったら独身男性がたくさん登録している婚活サイトに行くのが手っ取り早いかな、と考えたんです」
編集部「出会い系サイトみたいで怖いとか思いませんでしたか?」
柏木「最初はちょっとそう思っていました。
でも、ある人に『ドット・コム・ラバーズ』という本を勧められて、ちょっと考え方が変わりました。これはハワイに住む女性の大学教授が『サバティカル』という研究のための休暇を利用してニューヨークに行って、マッチングサイトを利用して恋人探しをするという実話です。アメリカではオトナのインテリ層も利用するんだ! と新鮮な驚きがありました。
実際に自分も利用してみて、条件で相手をフィルタリングできるからとても合理的で、ロジカルな人ほど婚活アプリのメリットが理解できるなと感じました。前にも書きましたが、婚活アプリは遊び目的の人もいるけど、忙しいから合理的に結婚相手探しをしたいという『マジメな仕事人間』も多かったですよ」
アラフォー女性でも婚活アプリでは男性からの需要は大いにアリ!
ただし、お互いにオトナゆえになかなか進展しない!
編集部 「どんな条件でお相手を探してたんですか?」
柏木 「恥ずかしながら最初は自分がどんな人が好きなのかさえわかっていませんでした。
だから、ありがちな
- 安定したサラリーマンか公務員
- 年収1000万円以上
- 大卒以上
とかにしていました。って、いまこんなこと言ったり書いたりしたら炎上しそうですよね(笑)。
もちろん、自然な出会いで意気投合すれば別にそんなことは気にしないと思うんですけど」
編集部 「実際に会った男性は何人くらい?」
柏木 「20人以上はお会いしたと思います。
私は42歳から44歳までネットで婚活してたんですが、40歳代前半ならプロフィール写真さえキレイだったら男性からけっこうお声はかかると思います。この『キレイ』は顔の造作じゃなくて。オトナになってからの『キレイ』は顔や髪のお手入れがきちんとされていて、似合うものがわかっているという意味です。私も別に美人でもかわいくもないですしね」
編集部 「けっこう長く婚活アプリを利用されてたんですね」
柏木 「そうですね、2~3回会った後になんとなく関係がフェードアウトしちゃう人が続きました。実際に私と会って『プロフィール写真とぜんぜん違うじゃん!』とか『実物はけっこうオバサン』って男性が思ったとしたら、2回目はないと思うんですよ。
だから、2回以上会ってフェードアウトになっちゃう理由を分析するに、『向こうが熱心にアプローチしてきたら真剣に交際を考えよう』とお互いが受け身に思っているから、『どっちも相手の出方を見て手を出さないボクシングの試合』みたいな状態になっていたと思うんです。
オトナだから、もうヘタに傷つきたくない、みたいなところがある」
ダンナさまとネット上で運命の出逢い!プロフィールを読んだ瞬間に「ビビッ」と!?
編集部 「いまのダンナさまと出会ったのは?」
柏木 「婚活をスタートして2年もたったころでした。彼のプロフィールを見たときに、『うわっ! この人だ!』とビビッと来たんです」
編集部 「どのへんがビビッと?」
柏木 「まさに理想のタイプというか、でも、自分ではそれが理想だとそれまで気がついていなくて。というのは、実は私、移住して田舎暮らししていたんです。
それなのに私は都会のエリートサラリーマン、あるいは公務員と結婚したいと思っていた。そこに矛盾がありました。そうしたら、彼はその両方を満たすことができる人だったんです。
プロフィールを読んだら、東京の大企業の社員ではあるけれど、在宅勤務も可能で田舎暮らし希望だという。私の理想の暮らしができるパートナーを言葉にしてみると『安定した東京のサラリーマン』で、かつ『田舎暮らしができる人』なんですが、当時はそんな人いるわけないだろうと勝手に判断していたので、思いもよりませんでしたし、口にすることもありませんでした。
だから、彼のプロフィールを見たときに初めて自分の『理想』に気がついたという感じです」
編集部 「柏木さんからメッセージを送ったんですか?」
柏木 「いえ、私が最初に『いいね!』ボタンを押して、私はあなたを気に入ってますよサインを送りました。そしたら、彼のほうからメッセージが来ました。彼は婚活サービスに入会したばかりで、私が初めてメッセージを送った相手とのことでした。
やりとりしているうちに、趣味や価値観、住みたい場所などが『生き別れた双子の兄なのではないか?』と思うほど、ピッタリ一致していることがわかりました。いちばん驚いたのは生まれた市が一緒だっていうこと。わりと大きな市なんですけど、聞いていくうちに彼が4歳まではほんの10分くらいの距離に住んでいたことも判明して」
編集部 「へぇ! ホントに生き別れた双子の兄だったりして!」
柏木「いや、彼が3歳上なので、それはないんですけど(笑)」
1週間で初デート! 交際まで猛スピードで展開!
編集部 「メッセージ交換を始めてからどれくらいで実際に会ったんですか?」
柏木 「1週間後に会いました。私が住んでいる田舎まで彼が東京から来てくれました」
編集部「第一印象はどうでしたか?」
柏木 「私は『生き別れた双子の兄!』『運命のパートナー!』と盛り上がっていたので、実際に会ったときには『へぇ~、この人なんだ!』って感じで。
ビビビッというよりはどこかで出会ったことがあるような懐かしい感じがしました。もちろん、会ったのはこれが初めてです。
本当は初対面の相手の車に乗ったり車に乗せたりはいけないんですけど、それまでにかなりの情報量のメッセージのやりとりをしてお互いに信頼感もあったので、私の車で山の上の絶景カフェに行き、その後、温泉に入りに行きました」
編集部 「1回めのデート後、『おつきあいしましょう』ということになったんですか?」
柏木 「初デートから1週間後に2回めのデートをして、翌日から彼が2週間くらいの海外出張に行くことになりました。それで、空港までお見送りに行ったんですよ。
いままでだったら、そんな行為は『前のめりに思われないかな』とか思って絶対にしなかったと思うんですけど。単純に『出張に行く前に会いたいなー』という気持ちからでしたが、いまから思うとオトナの婚活は『お互いに相手の出方を見て手を出さないボクシングの試合』になりがちで、どちらかが積極性を出さないと進展しないので、がんばってよかったと思います。
彼が出張に行っている間は長いメールのやりとりをしまして、その中で『おつきあいしてください』といった流れになりました」
電撃婚かと思われたが!?約1年半の交際期間を経て結婚!
編集部 「それからどのくらいの期間、交際して結婚に至ったんですか?」
柏木 「実は彼が帰国してからすぐ、つまり、ネット上で出会ってから1ヶ月後くらいで一緒に暮らし始めたんですよ。かなりのスピーディな展開だったので、自分では『このまま電撃婚か!?』と思ってたんですが(笑)、結局、そこから1年半くらい交際して結婚しました」
編集部 「どうしてそんなに時間がかかったんでしょう?」
柏木 「彼はバツイチなんですが、彼がネット婚活を始めたのが離婚した直後で、しかも、入会してすぐに私に出会ってしまったので、いろいろと心の準備が必要だったみたいです。
私はそれまでにいろんな男性と会ったうえで彼に出会って『この人だ!』と思ったわけですが、彼にとっては私が初めてコンタクトをとった相手なので、比較するものがない。
それに、結婚相談所など婚活の世界では最初に会ってから3ヶ月くらいを目安に結婚の意思を決めるのがルールなんていわれていますが、『3ヶ月ルール』にのっとって再婚したら、『離婚の4ヶ月後に再婚!』ってことになるんで、それも抵抗があったのかもしれません」
編集部 「では、結婚は彼の気持ちのなかで整理がついたからというか……?」
柏木 「というよりは『外部要因』ですね。実は彼が海外駐在になりまして。外国に長期間滞在するには観光ビザでは日数が足りなくて、駐在員の家族に与えられる『帯同ビザ』がいいだろうという話になりました。それには『家族』になる必要があり、それで大慌てで入籍したんです(笑)。」
アラサー以上の女性が結婚するために必要なこととは?
理想のパートナーについて「言語化」できることが大事!
編集部 「そうだったんですね。アラサー・アラフォーの女性が結婚するために大事なことって何でしょう?」
柏木 「婚活ってビジネスと一緒で明確な『目標設定』が大事なのかなぁと思うんです。目標設定、すなわち、どんな相手と結婚したいのか、それを『言語化』することは実はけっこう難しい。
みなさんよくわかっていなくて、だから『大卒以上』『サラリーマンか公務員』『年収500万円以上』って言ってしまうんだと思う。で、『そんな独身男が何%いると思ってるんだよ、このバカ女!』なんて言われるわけです(笑)。
でも、みんな本心では別にそんな男性を求めていないんじゃないかな。あ、本当に思っている女性もなかにはいると思いますが(笑)。
人から聞かれれば、学歴が低いよりは高いほうがいいし、お金がないよりはあったほうがいい、安定してないよりは安定しているほうがいいというだけで。
だから、まずは自分の気持ちに正直になってどういう相手とだったら理想的な生活が描けるのか考えてみるといいと思います」
編集部 「なるほど、本心では本当にそれがいいと思っていないから、その条件でフィルタリングした相手に出会ってもなかなかうまくいかないってわけですね」
柏木 「その通りですね。まあ、私はそれができていなかったので、結婚までに時間がかかってしまったわけですが(苦笑)。目標設定を明確化・言語化できていれば、人から『どんな男性がいいの?』と聞かれたときに答えられるし、『この人でいいのかな?』という迷いもなくなると思うんですよ」
編集部 「ご著書『占いで結婚しました!』を出されたとのことですが、占いを婚活に利用するコツについて教えてください」
柏木 「自分のことって自分がいちばんわかっていないので、人から『あなたってこういう人でしょ』『こういう人と相性がいいですよ』という第三者的な視点があると、婚活の目標設定しやすくなると思います。
別にそれが当たっていなくても、言われたことについて考えてみることで明白になることもありますし。また、婚活はなかなかストレスフルな世界なので、日々の癒しとして利用するのもいいと思います。
あと、私はもともと占いとか信じないタイプの左脳派ロジカル人間なんですが、結婚に至るまでにはビックリするような不思議なことがいろいろあって、結婚って本当にご縁のものなんだなぁと思いました。そんなご縁を引き寄せるヒントも拙著にいろいろ載っていますので、よかったら手にとってみてください!」
以上、5回に渡ってお届けした柏木さんの「体験者に聞く!」は今回でおしまいです。読んでいただき、ありがとうございました!
柏木珠希さんの書籍の紹介
占いで結婚しました! (コミックエッセイの森)
恋人にフラれ42歳で崖っぷちからスタートした婚活。ありとあらゆる占い&開運法を駆使したその紆余曲折とは―!?役立つ占いや開運アクション、占い師の婚活秘話、ネット婚活体験談など内容もりだくさんで描く占い婚活コミックエッセイ。